建築設計

私は大学卒業後、設計事務所での数年の勤務を経て、都内の設計コンサルタント会社に転職しました。前者を含め、主に造園・緑化、公園、道路、橋梁など公共性の高い建築物に携わっていました。40歳を前に自宅を建て替えることになり、設計プランの打ち合わせや実際に建築される様子を眺めているうちに、これは面白そうだと思いが募り、資格取得に併せて木造住宅建築に携われる会社への転職を決意しました。当社に転職したのは2004年のことで、2年前に設計業務を恒栄ホームに集約することとなり現在に至ります。

現在私の勤務先は、株式会社マツモト（横浜市金沢区朝比奈）の本社内の分室になります。恒栄ホームに移籍する前から、マツモトの取引先さまである工務店さま、ハウスメーカーさまから依頼された木造住宅の設計や構造計算を担当していた関係で、移籍後の今もこちらを拠点としています。製造の現場がすぐ隣にあることから、設計の際に施工技術に関しての相談や裏取りがスムーズに行え、木の特性に関する深い知識を教えてもらえるなど、業務の効率性や深堀りにおいて日々収穫があります。そのことは、材木卸と設計を一括して委ねられるという、お客さまからの信頼にもつながっているものと思います。

恒栄ホームは2010年に設立された若い会社です。現在は、設計事務所さまや工務店さまからの依頼にお応えする形で、リフォーム・リノベーションと木造新築建築工事の施工管理を主業としており、私の担当する設計業務を含めた3軸はそれぞれ独立した状態にあります。今後は設計や企画開発を起点に、自社の施工管理力、グループ会社の資材加工供給力（恒栄資材・マツモト）、フレーム建築力（TATE-YA）を一括して訴求できる事案の獲得にも力を入れていきます。すでにいくつかの実績も上がっており、たとえば「無印良品の小屋」では、「設計＋プレカット加工＋施工」を任せていただきましたし、非住宅分野ではATAハイブリッド構法を用いた木造倉庫の実績もあります。設計施工力、住空間創造力を担保に、当社が先陣を切って新たな活路を開拓する。私自身、大いに期待するところです。

設計部門には私以外にもう1名、若手ホープがおります。私と視点も違えば常識も異なる。しかしお互い見解の違いをぶつけ合うことがとても楽しく、業務上大変刺激になっています。設計においては設計者それぞれの考えがありますし、創造的業務には終わりがありません。常に新しい技術が出てきます。私の中にも新しい考えが湧いてきます。そういう変化、多様性を喜ばしいものとして受け入れ、新たな挑戦へのエネルギーに変えていく。そういう仕事のスタイルが望ましいと思います。個人的には、大規模な建築物より、小さなものに興味があります。横浜、横須賀、鎌倉近郊の敷地面積の小さい建物でも、豊かな住空間が創造できるということを、この手で実現してみたいと思います。